「やりたいことを仕事に」への憧れ
「やりたいことを仕事にしたい」という言葉には、どこか希望があり、魅力があります。情熱を持って取り組めることに時間を使い、それが対価としても評価される。そんな働き方ができたら、きっと人生は豊かになる——そう感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
近年、SNSやメディアの中で「好きを仕事に」や「やりたいことで生きる」といった価値観が発信され、自己実現の象徴のように語られることも増えてきました。もちろん、それ自体はすばらしい選択肢のひとつです。ただし、「やりたいことを仕事にする」ことが、誰にとっても“正解”とは限らないということも、忘れてはならない視点です。
「やりたいこと=仕事」にする難しさ
やりたいことを仕事にしたい、と強く願うほどに、次のような壁にぶつかることがあります。
- 「やりたいこと」がそもそもわからない
- 好きなことでは稼げないのではという不安
- 情熱が仕事になると、逆にプレッシャーになる
- 楽しさより責任が上回ってしまう
たとえば、趣味でやっていたイラストを仕事にしたら「クライアントの要望に応えないといけない」状況に変わり、好きだったはずのことが「辛いもの」になってしまうこともあります。
やりたいことを仕事にすることには、自由や楽しさと同時に、責任や収益性のプレッシャーも生まれます。その現実に直面したとき、「これは本当に自分が望んでいた働き方なのか?」と迷う人も少なくありません。
「やりたいこと」がわからないのは、悪いことではない
そもそも、「やりたいことがわからない」ことをネガティブに捉えてしまっている人も多いようです。
しかし、人生のあるタイミングで“やりたいこと”が明確に言える人は、実はそれほど多くありません。それは、自分の内面に対する深い理解や、経験を通した気づきが必要だからです。
「やりたいことがわからない」というのは、自分に対して誠実である証拠でもあります。無理に見つける必要はありませんし、「今やっていることの中から、自分らしさを見つけていく」ことも十分に意味があります。
「やりたいこと」だけでは続かない働き方
やりたいことを追い求めた先に、現実とのギャップに疲れてしまうこともあります。だからこそ、「やりたいこと」だけにフォーカスしすぎずに、他の視点も持つことが大切です。
たとえば、
- どんな働き方が自分にとって心地いいか?
- どんな人たちと一緒に働きたいか?
- どんな価値観を大事にしていたいか?
こうした「働く上で大切にしたい軸」が見えてくると、「やりたいこと」という抽象的な言葉よりも、具体的な選択ができるようになります。
そして、それがたとえ「やりたいこと」そのものでなかったとしても、自分が納得できるキャリアは十分に築けるのです。
「意味づけ」ができるかどうか
やりたいことができていない状況でも、その仕事に対して自分なりの意味づけができていれば、人は前向きに働き続けることができます。
「この仕事は、自分にとってどんな意味があるのか?」
「今の経験は、どこにつながっていくのか?」
そんな問いを持ちながら仕事と向き合うことで、「やりたいことができていない」という不足感に飲み込まれず、今の自分を受け入れられるようになります。
そして、その積み重ねがやがて「やりたいことにつながっていた」と後から気づくこともあるのです。
「やりたいことに縛られない」生き方へ
やりたいことを見つけるのは大事なことです。ただし、それが“唯一の正解”のように思い込んでしまうと、かえって今の仕事や自分を否定することにつながりやすくなります。
むしろ、「やりたいことに縛られない」視点を持つことが、結果的に自分の可能性を広げてくれることもあるのです。
コーチングの中では、「本当に大切にしたい価値観は何か?」という問いを深めることで、「やりたいこと」の奥にある“本質的な欲求”に気づいていくプロセスを大事にします。
そうした気づきがあるからこそ、「やりたいこと」だけに囚われず、「自分が納得できる生き方」に近づいていくことができるのです。


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