「なんで私はうまくできないんだろう」
「どうしたら失敗しないようにできるかな」
そんな問いが頭を巡るとき、私たちは無意識のうちに「自分の足りなさ」や「失敗の回避」に意識を集中させてしまいます。
でも、同じ状況に対して問いの立て方が変わると、見える景色がまるで変わることがあります。
たとえば、「ここから何を学べるだろう?」と問いを変えるだけで、前に進むための視点が生まれる。
この記事では、「問い」が持つ力と、その問いを変えることで得られる視点の変化について考えていきます。
なぜ「問い」が大切なのか
私たちは日々、無数の問いを自分に投げかけながら行動しています。
それは明確に意識していなくても、「どの電車に乗る?」「今日のランチは何にしよう?」という日常的なものから、「今のままでいいのかな?」「このまま働き続けて意味があるのか?」といった人生の根幹に関わるものまで、あらゆる問いが存在しています。
そして、問いの内容は思考の焦点を決めます。
問いが「足りないところ」に向けば、不足や不安ばかりが目に入り、「何がうまくいっているか」に向けば、希望や可能性に目がいくようになる。
つまり、問いは意識のフィルターのようなものなのです。
視点が変わった瞬間:問いのちから
コーチングの現場を例に、視点が変わった瞬間のイメージをお伝えします。
クライアントは、新しく任されたプロジェクトに自信を持てずにいました。
「どうして自分はこんなに準備が遅いんだろう」
「また評価が下がるんじゃないか」
そんな問いが頭の中でぐるぐるしていたのです。
コーチは、問いをそっと変えてみました。
「その状況で、あなたは何にエネルギーを注いできたんですか?」
「準備が遅れていても、これまでやってこれた理由って何だと思いますか?」
するとクライアントは少し黙ってから言いました。
「……そうか、私、資料よりも人との調整に時間をかけてたんだ」
「たしかに遅れてるけど、リスクが減るように動いてはいたかも」
問いが変わったことで、「自分はダメだ」という評価から、「自分がやってきたことの意味」へと視点が移ったのです。
このように、問いが変わると、行き詰まったように見えていた状況にも別の意味が生まれてきます。
問いが視点を変える3つの理由
1. 前提を疑うことができる
多くの問いは、前提に基づいています。
たとえば「どうすれば嫌われないか?」という問いは、「嫌われることは悪いことだ」という前提に立っています。
けれど、「本当に嫌われたくないのか?」と問い直すと、その前提が崩れ、「そもそも、全員に好かれる必要ってある?」という視点が出てくるかもしれません。
問いを変えることは、前提に揺さぶりをかけ、選択肢を増やすことでもあるのです。
2. 感情とつながる視点を持てる
「なぜこうなったのか?」という問いは、原因や過去を探ります。
一方で、「私は本当はどうしたい?」という問いは、今の感情や未来に焦点を当てます。
同じ状況でも、どんな問いを立てるかによって、自分とのつながり方が変わるのです。
特に感情が揺れ動いているときは、「今、どんな気持ち?」と自分に問いかけることが、思考の整理に役立ちます。
3. 「答えのない問い」が探求を促す
すぐに答えが出ない問いは、私たちに内省と探求を促します。
たとえば、「どうすれば完遂できるか?」という問いには、明確な答えがありそうですが、「本当に自分にとって大事なことは何か?」という問いには、明確な答えはありません。
それでも、この問いを持ち続けることで、自分にとっての軸が見えてくるようになるのです。
コーチングにおける「問い」の役割
コーチングでは、「問い」は単なる質問ではなく、関係性を深め、思考を広げるためのスキルです。
コーチは、状況を整理したり、視点を変えたりするために、さまざまな問いを投げかけます。
たとえば:
- 「その選択をしたのは、どんな価値観からだったのでしょう?」
- 「もし恐れがなかったら、どうしたいですか?」
- 「仮に今のままでいたとして、何が起きると思いますか?」
これらの問いは、クライアント自身が「自分の中にある答え」に気づくための触媒となります。
日常で使える「問いのリフレーミング」
最後に、自分で問いを変えるヒントになるリストを紹介します。
ネガティブになりがちな問いを、視点が広がる問いに変えてみましょう。
| よくある問い | 視点が変わる問い |
|---|---|
| どうして私はできないんだろう? | 今、私ができていることは何だろう? |
| うまくいかないのは誰のせい? | 私ができる範囲で変えられることは何だろう? |
| この選択、間違ってないかな? | どんな価値観に沿って、この選択をしたんだろう? |
| どうすれば正解に近づける? | 今の自分にとって、何が一番大切なんだろう? |
問いを変える練習を日常的にすることで、視点の転換がしやすくなります。
まとめ:「問い」は自分自身との対話の始まり
問いは、他者から投げかけられることもありますが、自分で立てることもできます。
そしてその問いが、自分にどんな世界を見せるかを決めるのです。
「問いが変わると、視点が変わる」
それは、見方が変わり、感じ方が変わり、そして選択が変わるということ。
日々の小さな場面で、「どんな問いを立てるか」を意識することで、自分の思考や行動に新しい風を吹き込むことができるでしょう。


問いが変わると、見える世界が変わってきます。
コーチングを通して、あなたの中に新しい風を吹き込んでみませんか。
→体験セッションの説明はこちら

