アサーティブな自己表現の方法

―自分も相手も大切にする伝え方の技術―

「自己主張」はわがままじゃない

「言いたいことがあっても、相手を傷つけたくない」
「空気を読んで、つい我慢してしまう」
「逆に、つい強く言い過ぎてしまって後悔する」

こんな経験はありませんか?

私たちが人と関わる中で、自分の思いや意見を「どう伝えるか」は非常に大切なテーマです。
その答えのひとつが、「アサーティブ・コミュニケーション」です。

アサーティブとは、「自己主張」と訳されることもありますが、単なる押し付けではありません。
それは、自分の思いを率直かつ誠実に、そして相手を尊重しながら伝えることです。

アサーティブネスとは何か?

アサーティブネス(Assertiveness)は、以下の3つのコミュニケーションスタイルの中間に位置する考え方です。

1. アグレッシブ(攻撃的)

  • 自分の主張を押し通す
  • 相手を言い負かしたり、支配しようとする

2. アサーティブ(率直・誠実・尊重)

  • 自分の意見や感情を、相手を尊重しながら伝える
  • 自他ともに大切にするバランスの取れた関係を築く

3. ノンアサーティブ(受け身・回避的)

  • 自分の意見を言わずに我慢する
  • 相手の意見に合わせすぎてしまう

アサーティブネスは、「自分も相手も大切にする」という姿勢に基づいた自己表現です。

アサーティブネスがもたらす3つの効果

1. ストレスの軽減

言いたいことを我慢し続けると、心にストレスがたまり、関係性が不健全になります。
アサーティブな表現を身につけることで、感情を溜め込まずに済み、健全な自己肯定感を保てます。

2. 人間関係の質が上がる

アサーティブに伝えることで、相手も「自分が尊重されている」と感じます。
信頼感が生まれ、よりオープンな関係が築けるようになります。

3. 自分の価値観に沿った行動ができる

「本当はこうしたい」「こう思っている」といった自分の本心を大切にしながら、行動の選択肢が広がります。

アサーティブな自己表現の基本原則

原則1:率直であること

回りくどく伝えたり、曖昧にするのではなく、自分の意見や感情を明確に言葉にします。

原則2:誠実であること

正直であることは大前提ですが、相手を攻撃することなく、誠意を持って伝える姿勢が重要です。

原則3:対等な立場であること

相手と自分を上下ではなく“横の関係”で見る意識が、アサーティブネスの要です。

実践:アサーティブに伝えるための4ステップ

アサーティブな自己表現には、具体的な手順があります。以下の「DESC法」は、アサーティブネスの代表的なフレームワークです。

【D】Describe:状況を客観的に描写する

事実だけを冷静に、主観を交えずに伝える

「昨日の会議で、私の提案に対するフィードバックがありませんでした」

【E】Express:感情や意見を伝える

自分がどう感じたのか、率直に伝える

「そのことで、自分の意見が受け入れられなかったのかなと不安になりました」

【S】Specify:具体的に望む行動を伝える

相手にしてほしい行動を明確に伝える

「次回からは、どんな意見でもフィードバックをもらえると嬉しいです」

【C】Choose(Consequences):結果を共有する

相手がその行動を取った場合、どんなポジティブな結果になるかを伝える

「そうしてもらえれば、より積極的に提案できるようになります」

このように構造化することで、冷静かつ建設的な対話が可能になります。

アサーティブな表現を妨げる思い込みとは?

自分の本心を伝えられない背景には、無意識の「思い込み」があることが多いです。
たとえば…

  • 「自分の気持ちを伝えるのは自己中心的」
  • 「波風を立ててはいけない」
  • 「断ったら嫌われる」

これらの思い込みを見つめ直すことも、アサーティブネスを育む大切なプロセスです。

アサーティブネスを育てるための練習方法

1. 日常の小さなことから練習する

例えば、レストランで「スープがぬるい」と伝える練習など、小さな“違和感”に対して率直に伝えることから始めましょう。

2. 自己対話を通して感情に気づく

「本当はどう感じている?」
「何が引っかかっている?」
という問いかけを習慣にすることで、自分の内面にアクセスしやすくなります。

3. 書き出して整理する

言いたいことが整理できないときは、紙に書いて構造化するのがおすすめ。
DESC法に沿って書き出してみることで、冷静に準備ができます。

アサーティブネスを支える心の姿勢

  • 自己尊重:自分の価値を信じる
  • 他者尊重:相手にも同じように価値があると信じる
  • 自己責任:自分の感情や反応に責任を持つ
  • 変化を恐れない:対話が関係を深める可能性を信じる

これらの姿勢があってこそ、表面的なテクニックではなく、深いコミュニケーションの質が育っていきます。

まとめ:本当のつながりは、アサーティブな表現から

アサーティブネスは、単なるコミュニケーションスキルではありません。
それは、自分自身を大切にしながら、相手とのつながりを深める生き方の選択でもあります。

我慢でも、ぶつかるでもなく、
「対話を通じて信頼を築いていく」こと。

それが、今の時代に求められる成熟した自己表現のあり方です。
まずは自分の感情に正直になるところから始めてみましょう。

自分の主張を出すことは、最初難しく感じるかもしれません。
コーチングの場では、安心して主張を出すことが出来ます。お気軽にご相談ください。
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