はじめに
「就職活動では“企業に選ばれる”ことがゴールだった」
「配属や昇進も、組織からどう評価されるかが気になっていた」
「人間関係でも、“好かれること”を意識して振る舞ってきた」
そんなふうに、人生の選択を“誰かに選ばれること”に委ねてきた感覚はないでしょうか。
でも、あるときふと、こう感じることがあります。
「あれ、自分は何を選びたいんだろう?」
「選ばれる」ことを目指してきたステージから、「自分で選ぶ」ことにシフトする。
それはキャリアだけでなく、生き方全体を変える、大きな転換点でもあります。
「選ばれること」が前提になっていた理由
そもそも私たちは、子どもの頃から「選ばれる側」であることに慣れてきました。
- 成績で評価される
- 部活のレギュラーに選ばれる
- 進学先や就職先を「合格通知」によって決める
- 組織の人事に従うことでキャリアが進んでいく
このように、評価や選考、配属といった「外から与えられる判断基準」が当たり前の環境にいると、無意識に「選ばれるためにどう振る舞うか」に重心が傾いていきます。
その結果、本当はどうしたいかよりも、
「どう見られるか」「どうすれば評価されるか」が判断基準になってしまうのです。
「選ぶ」ことは、自分の軸に従うこと
「選ばれる」状態が続くと、自分の意思より他人の期待が優先されます。
それに対して、「選ぶ」とは、自分の内側にある価値観や望みを起点に、決断をしていくことです。
たとえばこんな違いがあります:
| 選ばれる軸 | 選ぶ軸 |
|---|---|
| どう見られるかを気にする | 自分がどう感じるかを大事にする |
| 正解を求める | 納得感を求める |
| 他人の期待に応える | 自分の意思に正直になる |
| 不合格や否定を恐れる | 選ばないことも選択肢にする |
「選ぶ」には、自分で責任を持つ覚悟が求められます。
でもそれは、自分の人生のハンドルを、自分で握り直すということでもあります。
「選ぶ」側に立つための3つの視点
では、「選ばれる」から「選ぶ」へと意識をシフトするには、どんな視点が必要なのでしょうか?
以下に3つのヒントを紹介します。
1. 「自分はどうしたい?」という問いを持ち続ける
シンプルですが、つい後回しになりがちな問いです。
- 「周りはどう思うか」ではなく、「自分はどう感じるか」
- 「この選択は、自分が本当に望んでいるものか」
選択のたびに自分に問いかけることで、「他人軸」から「自分軸」への回帰が少しずつ進んでいきます。
2. 小さな「選ぶ」を重ねていく
いきなり大きな決断を「自分で選べ」と言われても、難しいもの。
まずは日常の中で、小さな選択から「自分の意思で選ぶ」経験を重ねていきましょう。
- メールの返信を“今”するか“後で”するか
- ランチを“自分が食べたいもの”に決める
- 休日の過ごし方を“自分の心が喜ぶこと”で選ぶ
小さな選択を意識的に積み重ねることで、「自分で決めていい」という感覚が育っていきます。
3. 「選ばれなかった経験」から学ぶ
選ぶ側に立つには、時に「選ばれない」経験もつきものです。
でもそのときに大事なのは、
「自分が否定されたわけではない」と区別すること。
選ばれないこと=自分の価値がない、ではありません。
むしろ、「自分が本当に選びたい場所はどこなのか」を見つけ直すチャンスなのです。
「選ばれることを手放す」のは、怖くていい
「選ばれる」ことに慣れている人ほど、「選ぶ」側に立つのは怖さを伴います。
- 失敗したらどうしよう
- 評価されなくなったらどうしよう
- 間違ったら誰のせいにもできない
そう感じて当然です。
でもその怖さの先には、「自分の人生を自分でつくっている」という感覚が待っています。
それは、他人の基準に振り回されていたときには得られなかった、深い納得と充実感を伴うものです。
おわりに
「選ばれる」ために頑張るのは、決して悪いことではありません。
そこには多くの努力や成長があるはずです。
けれども人生のある地点で、
「自分は何を選びたいのか?」という問いと向き合うことが、次のステージへの鍵になります。
誰かに認められることでしか手に入らなかった安心や自信。
それを、自分の内側から育てていくフェーズへ。
あなたのキャリアも、人生も、選ばれるだけのものではなく、
あなた自身が選んでいくものです。


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